こんにちは!ハンザワです。
本日はスルガ銀行の平均年収が810万6000円でメガバンクである三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行を上回っているとの報道についてです。会社の規模、知名度でメガバンクに到底勝てないスルガ銀行が、実は平均年収では勝っている。その理由をハンザワなりに考えてみました。
ニュースの概要
以下は報道からの引用です。まずは軽く目を通して下さい。
国内金融機関の平均年間給与は、スルガ銀行が85地方銀行の中で首位で、大手行の三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行の水準を上回っていることが、ブルームバーグ・ニュースの集計で分かった。
スルガ銀行が1531人の従業員に支払った年間の平均の給与は、賞与と基準外賃金を入れて810万6000円(平均年齢は42.5歳)で地銀首位。2位は静岡銀行で、千葉銀行、阿波銀行、群馬銀行と続いている。各行がこのほど金融庁に提出した有価証券報告書をまとめた。
同行の平均年間給与はメガバンクの最大の三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の三菱東京UFJ銀の773万8000円、みずほフィナンシャルグループのみずほ銀行の744万5000円を上回っている。
【引用元は下記サイト】
みなさんはこのニュースを見て、どのように思うだろうか?
地銀のスルガ銀行がメガバンクより平均年収が高い?
おそらくこの報道を見て、多くの方は「スルガ銀行がメガバンクより平均年収が高いなんて不思議だな。」と疑問に思うはずだ。「スルガ銀行の方がメガバンクより年収が高いのだったら、全国各地に支店があり、転勤でどこの地方で働くのかわからないメガバンクよりも、転勤が少なく主に静岡県や神奈川県で働けるスルガ銀行の方がいいじゃん!」と思った人もいるかも知れない。
スルガ銀行がメガバンクより平均年収が高い理由
どうしてスルガ銀行はメガバンクより平均年収が高いのだろうか?考えられそうな理由を下記に3つ挙げてみた。
想定理由① 利益率が高いから(スルガ銀行が儲かっているから)
スルガ銀行の利益率はメガバンクである三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行よりも何と20%超も高い(2017年度3月期の経常利益率)。これはスルガ銀行が利益率の高い「個人向けのフリーローン」に早くから舵を切っていた結果である。しかし、儲かっているからといって、従業員の給与を上げたのだろうか?ハンザワはこの想定理由①が正しいとは思わない。
想定理由② 時間外勤務が多いため(残業代で年収があがっている)
平均年収には残業代も入っている。大手企業は近年残業管理が厳しくなっており、思うように残業ができないため、スルガ銀行の方が残業時間が多くなっているのではないか。そのためスルガ銀行の方が平均年収が高くなっているのかも知れない。しかし、同じ銀行業をやっていて、それほど従業員の残業時間に差が出てくるだろうか?ハンザワはこの想定理由②が正しいとは思わない。
想定理由③ 年収を高くしないと従業員が集まらないため
スルガ銀行はメガバンクに比べると規模が小さいし、知名度も低い。そのためメガバンクより給料を高くしないと、従業員が集まらないから平均年収を高くしているのかも知れない。しかし、同じ地銀の平均年収と比較するならまだしも、優秀な人材確保のためメガバンクに対抗して平均年収を上げるだろうか?ハンザワはこの想定理由③が正しいとは思わない。【おまけ】今は就活サイトにプロフィールを登録しておけば、人事の人と焼肉が行けるくらい売り手市場なんですね。19卒の人がうらやましい!ハンザワが学生だったら絶対に申し込んでいます。(笑)
実は全然あてにならない「平均年収」。
ハンザワは上記にあげた3つの想定理由を全て正しいとは思っていない。そもそも「平均年収」自体が各社同じ土俵で発表されていないので、比較できないものだと思っているのである。
従業員数(人) | 平均年齢(歳) | 平均年収(千円) | |
スルガ銀行 | 1,531 | 42.5 | 8,106 |
三菱東京UFJ銀行 | 34,276 | 37.9 | 7,738 |
みずほ銀行 | 29,848 | 37.7 | 7,445 |
上記の表は各社の有価証券報告書から抜粋したものである。ご覧の通り、スルガ銀行と三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行では平均年齢に5歳程度も差がある。日本企業では年齢が高くなるほど年収は高くなる傾向にある。これを比較して、スルガ銀行の方がメガバンクより年収が高いと言えるだろうか?
さらに言うと従業員数には非正規雇用(契約社員や派遣社員)が含まれており、これらの非正規社員の年収も平均年収に含まれている可能性がある。(可能性があるとしたのは、有価証券報告書の平均年収に非正規社員の年収を含んでいる企業もあれば含んでいない企業もあるからである。)
スルガ銀行がメガバンクより平均年収が高い理由はこのカラクリにあるとハンザワは考えている。
私たちが本当に高い給料がもらえる会社を知るために、必要な情報は単純な「平均年収」ではなく、「年齢毎の正社員の平均年収」もしくは「正社員の平均生涯給料」なのである。
最後に
本当に給料の高い会社を選ぶためのデータで、あてになるものは少ない。「会社の平均年収ランキング」とかが雑誌に載っていたりするが、有価証券報告書と一緒で同じ土俵で比べているものがほとんどないのであてにならない。それでは年収を高い会社を私たちが知るすべはないのでしょうか?実はハンザワおすすめの方法があります。その方法については次回の記事で。
【追記】記事アップしました。
それでは!